光明禅寺のご案内

光明禅寺縁起

光明禅寺縁起

光明禅寺は、鹿児島県指宿市にある曹洞宗のお寺です。

源忠山光明禅寺の前身である、正平山光明寺は十町南迫田、光明禅寺から更に南に進み、山を少し登った丘陵地帯、通称「テラン山」にあった。廃仏毀釈の難を受け廃寺となりました。

本府福昌寺の末寺で曹洞宗です。開山は定慧和尚といわれています。定慧は、藤原鎌足公の長子です。
白雉4年(653)入唐し、白鳳7年(678)帰朝し法相宗を伝え、文武天皇元年(697)光明寺を建立し、十一面観世音菩薩立像(長2尺5寸、日羅作秘仏)を安置したといわれている。
法相宗は南都6宗の1つで華厳宗、律宗とともに日本最古の宗派です。建立した場所は東方唐山であるといわれています。大門口から南の山に向かって行くと湯峯神社がある。更に南へ山を登ると、太平山中腹あたりの杉林の中に「東方唐山記」と呼ばれる立派な方柱碑が残されています。その銘文に「十町村光明寺は和銅年間(708~714)に僧定慧が唐山に開いた」とあります。
この碑は、安政6年(1859)当時の揖宿地頭新納駿河久仰が建立したものです。光明寺建立の経緯を碑4面に約400字刻んで残されている。

光明禅寺には「光明開〇銘供養塔残欠」があります。この板碑型塔婆は、正平山光明寺跡近くの小川で発見されたものです。正面に光明開「基」、「和」銅7年6月と読める刻銘があります。側面には法相宗とあります。建立年はないが、大体1500年前後のものと推測されます。
正平山光明寺に安置されていたものと推測されます。
東方唐山記と板碑型塔婆、そして三国名勝図会の記述から考えると建立年の多少のずれがありますが、非常に古い寺であることが推定できます。

三国名勝図会に「この語年月とともにすたれていったが、応永年間中に恕翁公(奥州家7代元久)は新しく寺を造り、石屋和尚を勧請開山とし、守翁和尚を柱持とし福昌寺の末寺として、恕翁公の母堂敬外(奥州家6代氏久公のご夫人)の位碑を安置する。水田3町、荘園6ヶ所を付された。天正年間に寺社勘落のときに官のものとなる。その後、再び破壊して観音堂のみあったが、川内の練山和尚のときに寺を再興した。当寺の観音堂は、願いがよくかなうということで近くの村からも参拝にこられる」とあります。
数々の歴史を刻みながら、島津家の保護も受け栄えた古刹であったようです。
戦後まで観音堂跡地で盛大な六月燈も行われていました。
正平山光明寺に最も近い湯通堂家では庭に観音堂を再興し、太子像、観音菩薩像を安置して祭っています。参拝する人もいると聞きます。
観音堂の近くには正平山光明寺の観音堂の鬼瓦が置かれています。堂内にほぼ円形の板碑が保存されています。
円通と読める刻銘があります。光明寺の観音堂は別名円通堂とも呼ばれていました。観音堂にかけられた看板ではないかと言われています。

正平山光明寺に安置されていたという、桧材阿弥陀如来立像は法難をくぐりぬけ、光明禅寺に大事に保管されています。
鎌倉期の逸品とされ、平成15年に県指定文化財に指定されました。
正平山光明寺を語る数々が、現光明禅寺住職野口良雄によって引き継がれ、文化財の保護活用に尽力しています。

木造 阿弥陀如来像

「県指定 有形民俗文化財」

鎌倉時代中期の制作と推定される像高83センチメートルの立像で、檜材を用いている。
今日まで文化財的な価値を失う拙な修理や補修のための派手な彩色がなされないで保存され、我が国の鎌倉時代の優作として貴重です。
如来像の表現として、袈裟の余った布を左腕にかけて垂らした形状は珍しい。頭部と胸部の切り離しが、衣装の襟縁に沿って行われているのは、鎌倉時代の写実的な制作方法の特徴を示しています。

出山釈迦像

「出山釈迦像」

濱崎太平次からの寄付

「鬼瓦」

光明禅寺を守る鬼瓦

住職あいさつ

光明禅寺は、むかし定慧和上(藤原鎌足公の長子)が白雉(はくち)4年(653年)入唐し、白鳳7年(678年)9月23日帰朝し法相宗を伝え、(長2尺5寸、日羅作 秘仏)十一面観音立像を安置していました。

その後、幕府にその寺は破壊されますが、南迫田に移転し島津家菩提所で曹洞宗となります。
県内曹洞宗(大本山永平寺)は385寺ありましたが、今は薩摩半島に1ヵ寺の禅寺となりました。

観音様はお寺と共に廃仏毀釈により明治二年に焼失し、檀家さんのおかげで慶派の仏師によって造られました。
阿弥陀如来立像が守られ、今は鹿児島県の文化財です。(但し、国宝に相当する如来立像ともいわれています。)

指宿市はむかし湯豊宿(ゆぶすき)であった語源がきざまれた板碑が指宿市の文化財として安置されています。これを再興して現在に至る、宗教・宗派にこだわらない人と人との拠り所として、いつでもお参りしていただければと思います。

また、毎月2回 日曜日の朝6時から無の時間となる坐禅会を行っています。
皆様も朝のひと時、坐禅で無の時間を生きてみませんか。

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